5月2日

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予報では、北東風の4mとあった。
だが、気圧配置図を見ると、
高気圧にすっぽり覆われているではないか。
こういう時は、4mが3mになる。
気象台スーパーコンピュータでも、
このような誤差はある。
私どもマイボート日勤アングラーは、
そういうことは百も承知である。

まずは港へ行き、風と波を確かめてみる。
予報に忠実に出港して、すぐさま引き返したり、
逆に出港中止にして、
家に籠っていたら凪になったことも、
度々あるからたまらない。

最悪なのは、ゲストが乗船予定で、
凪予報だったのに、出港不可だった日。
確か、三度くらいあったと思うが、
それも、もう随分前で、
今はそういうことはまず起こらないくらいに、
気象には詳しくなった。

今日は、実際に沖へ出てみると、
十分に釣りが可能な波風だった。
秋のような気候で、
たいへん理想的な北東風が吹いていた。
船流速度は平均1.6kmとまさに、ベスト。
こんな時は、高い確率で大ダイが来る。

一目散に秋の北東風ポイントへと向かった。
季節はちがうが、まあ、大丈夫だろう。
異なっているのは、水温だ。
秋は20度前後であるが、今は16℃。
ということで、秋よりも食いは渋いが、
16℃以上あれば、あまり憂う必要もない。

流し始めてすぐに、小型マダイが竿をたたいた。
40cmほどだったが、
このサイズは最後までよく引くので楽しめる。
お父さんを呼んで来なさいとリリースした。

がつっと来るアタリがあった。
また、小型かなと予想していたら、チダイだった。
チダイは、同サイズなら、
マダイより身が引き締まっていてそこそこ旨い。
成長が遅い分だけ、旨味が籠る。
今日は、リリースした。

あれえ、おかしいなあ。
と、釣三丸の船長はしきりと首を傾げていた。
大ダイがくる予定なんだがなあ。
やっぱり、水温のせいかなあ。
ぶつぶつ。ぶつぶつ。

しばらくすると、
インクラインに出ていた糸が、
突如として、バーチカルに近くなった。
風が止まったのだ。
だが、船は1.2kmほどで動いていた。
潮流れである。
風流れより、潮流れに分がある。

と、 この変化に対応した本命がいた。
が、がっ、ぐいん。
始めは小さ目のアタリで、
イトヨリダイかなにかと思っていた。
ハンドルを回し続けても、
ぐいぐいと引きはするが、糸は出ない。

大ダイには得てしてこのような習性がある。
この時点では、タイラバのような小さな餌が、
まさか危険物だとは思っていないのである。
完全にタイラバをなめている。

既に餌ではないことは悟っているので、
振り払おうと、大きく首を左右に動かす。
だが、鈎が肉にがっちり食い込んで外れない。
そこで、危険回避スイッチが、バチンと入る。

ギュイーーーーーン。
釣果音と共に激しくスプールが逆回転した。

大ダイだろうと思った。
が、中層まで浮かせても、直下でぐいぐいと引いていた。
ん?これは、ヒラマサによくあるパターンだ。
忘れもしない、四月二十日に経験した引きとそっくりだった。
いや、もう、ヒラマサの切り身はしばらく要らない。
と思っていると、魚は勢いを無くし、
向こうにポッカリと浮かび上がって来た。
よし!やっぱり大ダイだった。



誰が見ても雌雄まちがうことはないようなオスだった。
体長は75cm。これで10食分の切り身を確保した。

この日は、午前6時半に出港し、
この大ダイを釣り上げたのが8時前だった。
僅か、1時間半の釣行だったが、
切り身作業の時間を想い、これで切り上げることにした。
それほど、前日の長時間釣行が効いていたのだった。
ふくらはぎの筋肉痛は続いていて、
今にも、また、攣(つ)りそうだった。



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