月23日

コメント

北東風の予報ということで、
かなりの期待をもって出港した。
この風は、実績がある。
過去、最高の好釣果は、大ダイが4尾というのがあった。
この時も、北東風だった。
風向きと、潮の流れる方向には、相性があって、
この風が、もっともいいことはわかっている。

実際に、今日も、朝の早い時間帯に、
ニアコンタクトがあった。
ギュイーーーーーン。
ギュイーーーーン。
と、強烈な糸出し音を聴いたかと思うと、
ふっと軽くなった。
単純な鈎外れかと、回収してみたが、
そうではなくて、一本の鈎先がきゅっと曲がっていたのだった。

実は、直前に小さなイトヨリダイを掛けていて、
鈎先を点検せずに釣りを続けていたのだった。
まさか、この程度のサイズで鈎がトラブっていようとは。
ほんのわずかな隙を突かれた格好となった。

これには、かなりのショックを覚えるとともに、
今後、油断なく、鈎先の点検をすることにしようと、
決意を新たにした次第である。

その後は、キロ弱マダイが2尾、
アオハタ、イトヨリダイ、キダイと小物が釣れ続いた。
活性は低くはなかった。
さすがは、北東風である。
しかし、本命は、始めのニアコンタクト止まりだった。

四時間が経っても、釣果音には程遠い。
そうなると、ますます、点検ミスが悔やまれる。
珍しく、潔(いさぎよ)さが失われていた。
「後悔先に立たず」ということか。

天候が良かったので、
長時間もあまり苦にならず、
アタリもぽつぽつあって、退屈はしていなかった。
悔しいが、釣果音も聴けたことだし、
そろそろやめるとするか。
そう思いながら、最後のひと流しをすることにした。

すると、ギュイーーーン。が出た。
本日二度目の釣果音だった。
ギュイーーーン。ギュイーーーン。
おおっ、これはデカそうだ。と歓喜に沸いた。
今度は、逃してなるものかと、やり取りに集中した。
キュイーーン。とトーンダウンし、引く力が弱まった。
本命にちがいない。大ダイサイズかも。

浮かび上がったのは、
腹がはち切れんばかりに膨れたメスのマダイだった。



体長68cmの準大ダイだった。
腹に空気も入っていたが、
それよりも、今にも卵がはみ出しそうな膨れ具合だった。
目が上向きになっていたので、危ないと思った。
産卵中のマダイをキープする訳にはいかない。

玉網に入れたまま海水に浸け、
しばらく回復を待った。
すると、ようやく尾をさかんに振って、
逃げようとする態度が見られるようになった。
玉網から出すと、海底へ去って行った。
ああー、よかった!と思わずつぶやいた。

前回の白子たっぷりマダイといい、
今回の真子たっぷりマダイといい、
これから産卵のピークを迎えるということが、
よーく、わかった。
明後日からの三日間は大潮で、天候が良ければ、
おそらく、夜の産卵ショーが見られるのではないだろうか。
一度でいい、ダイビングで直接見たいものだ。

がっかりしている釣三丸船長を見かねて、
もういちどチャンスを与えてくれた、
島の海の神には大いに感謝すべき日となった。



inserted by FC2 system