月20日

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このところ南風がよく吹く。
この風ではあまり期待はできないのだが、
凪とあらば出るというのが、
マイボートフィッシャーマンの習性である。
釣れる釣れないは二の次で、
釣れぬも、実釣研究のデータとして蓄積される。
ビックデータたけなわの今日この頃、
実釣データは多ければ多いほどいい。

あれこれ模索した結果、
南風でも比較的良い釣果を得たエリアへ向かった。
近場では、起伏の激しい海域で、
10mほどの水深の変化があちこちで見られる。
南風であると、その変化を辿るように船が流れる。
1.4kmの船流速度を保っていた。

1時間ほど流したが、
プレコンタクトがたったの一度だけという、
予想通りの食い渋りだった。
島の釣り仲間から携帯に電話が入り、
状況を尋ねられたが、
「風がわるいですもんね。」などと不満を述べ合った。

やや場所を移動して流すと、
しきりとプレコンタクトが起こるようになった。
覚えているだけで、5回。
それだけあると、期待に胸が躍るもので、
ようやく、アオハタと40cmほどの小型マダイが、
リアルにコンタクトしてくれた。

曇り空で、風が冷たく、
春用の服装だったので、えらく寒い。
2時間が経ち、今日は本命ボウズかいな。
と弱音を吐きそうになった時だった。

がつっ、ぐいん、コンタクト!
ギュイーーーーーン。ギュイーーーーーン。
ギュイーーーーーン。と三度激しい釣果音が響いた。
「 わおっ、大ダイか。」とよろこんだ。
だが、ギュイーーーーーン。はまだまだ続く。
ええっ、まさか、ヒラマサ?とおどろいた。
ここでヒラマサが掛かったことは一度も無かったのだ。
おそらく回遊性のヒラマサだろう。
船の真下でグイグイと引いていた。
少しずつ浮かんでは来たのだが、
やはり、真下でグイグイと引く。

もう、これはヒラマサなことに疑いの余地は無かった。
海面に浮いてもあちこちと走り、
玉網に入れるのに苦労した。



体長78cm。準ヒラマササイズのヒラゴだった。
釣三丸の釣果得点は、4点である。
どうりで、よく引いた訳だ。
瀬が荒いのにリーダーがブレイクしなかったのは、
これがやはり、回遊性のヒラマサであることを物語っていた。
地付きなら、最初の糸出しでプッツンだっただろう。
リーダーのざらつきはなかった。

ヒラマサは準本命で、釣果音もたっぷり聴いたので、
二時間の釣行で納竿することにした。
港での解体作業を考えると、このくらいでいい。
今夜は春マサの刺身に舌鼓を打とうと考えていた。
ヒラマサは年中旨いが、
寒冷期を乗り切った今頃は特に旨い。



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