北北東の風が強かった。 沖のポイントへ行けぬこともなかったので、 このところの定番となっているエリアへと向かった。
全く同じポイントを何度も流していると、 スレてしまうことが多いのだが、 このエリアには、数多くのポイントがあり、
例え、多くのマダイをリリースしたとしても、大丈夫だ。
二つの瀬戸から流れてくる潮がぶつかるので、 海底の起伏は、10m程度だが、
潮の変化がたびたびあって、マダイの食い気を促す。 オールリリースデーなので、 三時間ほどで、3点という釣果ポイントを稼げば、
納竿にするつもりだった。
点数について説明してみよう。 中型1点(準良型2点)、良型3点(準大型4点)、大型5点。 ヒラゴ(80cm未満)3点、ヒラマサ(80cm以上)5点。
45cm以上の根魚やシマアジ、ネリゴ(カンパチの幼魚)3点。 という基準で、点数化して、 ゲームのように、釣りを楽しむのも面白い。
3点を、単独釣行の課題にしている。 3点未満では、体調や天候を考慮して、 延長することもある。
いい釣果音を一度でも聴くことができれば、満足ではある。
ゲスト乗船では、同じく、 3点以上を取ってもらうことが目標となる。
始めのうちは、とんとアタリがなかった。 一時間ほどして、マダイのプレコンタクトがあった。 これは、ニアコンタクトに近いくらい、
微妙なアタリで、一度、二度追って来ては、 ぐいぐいとタイラバを咥えた。 三度目に、ドラグが音を出しそうなくらい引っ張ったが、
鈎が外れてしまった。
その、三十分後に、ギュイーーーン。があった。 よし、来たっ!とよろこんだのも束の間、
またもや鈎が外れてしまった。 大変残念なニアコンタクトだった。 やはり、今日も渋いようだった。
風が強く、潮はあまり動いていなかったので、 典型的な、風流れだった。糸はインクライン。 こういう時は、釣れそうでいて、なかなか釣れない。
船が動かないよりずっといいのだが。
プレとニアのコンタクトが続けてあったので、 今度こそはと、気合が入った。
既に、二時間半が経っていた。 何とか三時間くらいでコンタクトといきたいものだ。 今日は、真冬のように風が強くて冷たいので、
どうしても、疲労感が増す。
と、その時、フォールの途中で、 スプールの回転がするするっと速くなった。
フォールでのコンタクトにしては遅いが、 明らかに通常のフォールの回転とは違っていた。
すぐに、ハンドルを回すと、
ギュイーーーン。ギュイーーーン。ギュイーーーン。 と、待望の釣果音が響いた。 始めはヒラマサかと思ったが、
しばらくすると、キュイーーン。ほどの音に低下した。 前回の大ダイほどではなかったので、 良型だろうと、引きを楽しむようになった。
大ダイなら最後まで緊張感が続いたことだろう。
体長66cmのみごとに美しいメスの良型だった。 ベイトをたらふく食べているのか、 堂々とした体格をしていた。
記念撮影をして、海へ入れてやると、 女王のような風格で、ゆっくりと海底へ泳ぎ去って行った。
この時ちょうど、三時間が経過していた。
もう少しやろうかなと思わないでもなかったが、 かなりの寒さが堪えていたので、納竿することにした。 前回は、ゲストがいたので、延長して、
大ダイがコンタクトしたのだが、 単独釣行では、三、四時間で充分だ。 課題の3点になったということもある。
結局、コンタクトは、この良型のみだった。 他魚は全く鈎掛かりしなかった。 低活性はいつまで続くのだろうか。 水温上昇が待たれる。
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