いい凪だった。だが、風は南。 あまりいい方角ではない。 自ずとポイントが限られて来る。 大ダイポイントであったとしても、風によって、
船が流れる方角が異なると、 捕食スイッチを入れてくれない。
ということで、かなりの遠征を強いられた。 南風でも大ダイがコンタクトしたことのあるエリアである。
二つの島に挟まれた瀬戸が近くにあって、潮の流れがいい。 私のフィールドは瀬戸が多く、よく潮が流れ込み、 それによって、豊かな海域となっている。
クジラやイルカも入って来ることがしばしば。 それだけ餌が豊富だということだろう。 昨日は、クジラが悠々と泳いでいるのを目撃したばかりだ。
ほんの短い時間だったが、心が癒された。
活性はかなり高かったようだ。 いきなりプレコンタクトが数回あったり、
ニアコンタクトは二度あったりした。 リアルコンタクトでは、チダイとキダイが、 仲良く、連続して鈎掛かりした。
1時間ほどすると、
干潮から上げの潮が緩み、ぱたりとアタリが止まった。 水温という条件を除くと、 潮の動きが釣果を大きく左右するのは言うまでもない。
「潮動かざりて、魚(うお)釣れず」である。
釣三丸流「潮読み術」によると、
今日は、満潮前の潮が動く時、 大物のコンタクトが有りそうな予感がした。 それまでに、約一時間、 のんべんだらりと、リールを回していた。
潮が緩いと、釣り人の気も緩む。
1時間後、予定通り潮が動き始めた。 すると、ぐい、ぐいっと力強いアタリがあり、 鈎を外そうと抵抗しているのが分かった。
大ダイを掛けた時によくあるパターンだった。 その後、緊急避難スイッチが入るはずだが、 と思っていたら、ギュイーーーーーーン。
そうら、来た!ギュイーーーーーーン。ギュイーーーーーーン。 この出方は、半端ない。ヒラマサだった。
あまりに強烈で、先日のメーター級どころではなかった。 またもや、記録更新なるかと、 必死の思いで、指ブレーキを掛けるが、
ほとんど役に立たないほどだった。 5、6分が経ったが、まだまだ糸は出る。 よし、これは行けるぞと、更に気合を入れた。
ところが、スルッと鈎が抜けてしまった。 チヌ鈎5号では、限界を超えた大物だったのだろう。 回収すると、2本とも鈎が見事に伸されていた。 101cmどころか、120cmはありそうな引きだった。
しばらくすると、またもや鈎掛かりがあった。 ギュイーーーン。最初だけは、
マダイなら良型のメスか、大型のオス程の引きだった。 と思っていたが、一向に引きが弱まらない。
キュイーーン。キュイーーン。といい釣果音がしばらく続いた。 マダイなら中層辺りで弱まるが、 この魚は、いつまでも引きが弱まらない。
ははーん、これはヒラゴだなと思っていると、 やはり、その通りで、弾丸のような魚体が姿を現した。
釣るのは大きい方が面白いが、
食べるとなると、このくらいの型がちょうどいい。 ヒラマサは大き過ぎると、食べ飽きる。 ぜいたくな話だが、率直な感想である。
今日も三時間以内で勝負が付き、 満足の内に、納竿することができた。 港でさばいて、別荘で切り身を作ると、
二時間を要するので、午前中で止めるのがちょうど良い。
明日からは、しばらくリリースデーとなる。
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