月3日

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ひな祭り釣行となった。
うねりと白波が残り、やや荒れ模様。
このところの低活性の為か、
港の釣り仲間は誰も出港していなかった。

釣りにくい状況であっても、
できるだけ船を出そうと思っている。
本命のコンタクトは無くとも、
ぐっと来るが鈎掛かりしない「プレコンタクト」や、
一旦は鈎掛かりしても、
途中で外れてしまう「ニアコンタクト」があれば、
魚とのコミュニケーションが取れたように思い、
それなりに充実感はあるのだ。
プレコンタクトやニアコンタクトは、
リアルコンタクトへ続くサインでもある。

最低海水温の時期に、
長時間釣行を何日も続けていると、
「釣ってなんぼ」とは別次元の
釣りの愉しみ方を知るようになるだろう。
最終的に本命を一尾釣るに越したことはないのだが、
たとえ、釣果が無くても、
魚との対話を、タイラバを通じて、
数回でも愉しめれば、何となく釣果があったような気がする。

とはいえ、五時間以上の釣行は勘弁だ。
あとの 時間が切羽詰まって、
ゆったりとした楽園生活を送るのもままならない。
愉しいことでも限界はある。

今日は、その限界日で、
釣果に関係なく、午前中で終わろうと思っていた。

エンジンを掛けたのは、午前九時だった。
潮位が上がるのを待ち、やや遅めの出港。
満潮が正午前の中潮だった。

例の如く、超激シブ。
こんな日は、エソも食わないというが、
ほんとうに、アタらない。
二時間がまたたく間に過ぎた。
プレコンタクトが、二度。マダイのようだった。

満潮前の潮の動きに期待しようと思っていた。
午前11時を回った時に、ギュイーーーン。
とスプールが突然逆回転した。
だが、一度はふっと軽くなり、ハンドルを回していると、
またもや、ギュイーーーン。
そして、また、ふっと軽くなった。
首を傾げながら回収してみると、
鈎が一本食い千切られ、もう一本は派手に伸されていた。
巨エソでないことは確かで、魚種は判断しかねたが、
満潮前の潮が動き始め、活性が上がったと見た。

同じコースを流そうと、始動点に船を戻した。
リトリーブをしていると、
先ほどコンタクトがあった付近に差し掛かったか途端に、
ぐい、ぐいっ、ぐいん。コンタクト!
ギュイーーーン。という力強い釣果音が発生した。
ギュイーーーン。ギュイーーーン。
ハンドルを回せど、なかなか糸は回収できずにいた。
それどころか、じりじりと糸が出て行く。
かなりの型のようだった。

しばらく、そのようなやり取りをしていると、
パワーが徐々に弱まり、巻き取りがスムースになった。
向こうでポッカリがあって、マダイの魚体を確認した。



体長68cmの準大ダイだった。
オスだったが、今日は、キープの必要がなく、
リリースするつもりだった。
しかし、内臓が大きくはみ出していたので、
丁寧に処理して、クーラーへ収めることにした。

今回は、開始から二時間半という早めのコンタクトを得て、
満足の内に、納竿することができた。
満潮前の潮がいい具合に動き始めたことが、
もっとも大きな理由だったと考えられる。
鈎は、二本とも上唇を貫通していた。
こういう掛かり方をしていれば、鈎は伸されない。
完璧に獲れるパターンである。



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