2月27日

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いい凪だったが、それは朝の内。
昼前からは時化模様となるようなので、
早いうちに一尾釣り上げたいと考え、
比較的近場でリトリーブすることにした。
エソが多いのは覚悟の上。

満潮前の潮止まりが近づいていた。
船はいい具合に流れていた。
すると、静寂をかき消すかのように、
ガツッ!キュイーーン。といい釣果音が響いた。
キュイーーン。キュイーーン。
おおっ、これはでかい!と期待が高まった。

この二月は、時化が多く、
満足に出港できずにいた。
出港できたとしても、風が強く釣り辛かった。
一尾釣れば御の字という日ばかりであった。
こんなにも早い段階で掛かったのは、
厳寒期としては、たいへんラッキーだった。

引きは大ダイ並みだったが、
重量感は、それほどでもなかった。
ポンピングをほとんどせずに、
ごり巻きで上がってきた。



オスの良型だった。体長は62cm。
切り身にはもってこいのサイズだった。
丁寧に処理してクーラーへ保存。
これで、しばらくは、漁をせずに済みそうだ。

港で三枚におろし、
別荘で切り身を完成させる作業には、
合わせて二時間かかる。
もう戻ろうかと思ったが、
まだ実釣一時間も経っていない。
このまま放浪流しであと一時間続けることにした。

時刻は満潮の潮止まりとなり、
風が無いものだから、
船は、ほとんど動かず、バーチカル。
それでも、しばらくすると、
キュイーーン。が出た。
おおっ、二枚目の本命かという喜びも束の間。
60cmほどの巨エソが上がってきた。
がっくり。

また、しばらくすると、またしても釣果音が出た。
キュイーーン。キュイーーン。
今度こそ、本命か。と大いに喜んだ。
だが、またしても巨エソだった。
70cmもありそうだった。

仕掛けを失わなかったのは幸運だったが、
巨エソを二匹続けて見てしまうと、
やる気がみるみる無くなっていった。

エソの引きは独特なのでよく分かる。
鯛玉ごと失わないかと、
冷や冷やしながらのやり取りは、
心が疲労してしまうのだ。
潔く諦めて、港へ戻ることにした。

いつものように、船の上で、三枚におろした。
胃の中には、ウニの殻が溢れていた。
この時期のマダイは、ウニやカニをたらふく食べて、
まことに美味な肉質になっている。



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