2月24日

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午前中は、強風注意報が出ていた。
燃料補給にでも行って来るかと、
港へ向かうことにした。途中、ガソリンスタンドに寄る。
可能なら出船するつもりで、釣り具は車に積んだ。

港へ着くと、微妙な風具合。
釣り仲間は誰も出船していなかった。
切り身が僅かになっていたので、
できれば沖へ行きたかった。

北北西の風なので、港前はいいが、
少しでも沖へ出ると、強風が吹いて釣りにならない。
この時期、あちこち船を移動しなければ、
本命を手に入れることは難しい。

うーん、出るべきか出らざるべきか。
防波堤に上り、沖を見渡した。
白波が、小さいがあちこちに立っていた。
駄目元でもいいと、船を出すことにした。
四日間丸々時化ていたので、沖が恋しかった。

出港してみると、 案の定、沖は無理っぽかったので、
港周りでお茶を濁すことにした。
海は、濁すまでもなく、濁り潮だった。
プランクトンがかなり発生していた。
海水に手を浸けてみると、温かく感じた。
人の手の感覚などほとんど当てにならないが、
海水温の感触は、意外と役に立つ。

プランクトンが一斉に発生し、
活発な植物性プランクトンの光合成により、
酸素が発生する。
海中はプランクトンで満ち溢れていた。
まだまだ厳寒期の水温ではあるが、
いよいよ、春の到来である。

二度、ぐぐーっと来る魚信があったが、
鈎に乗ることはなかった。

港付近で一時間を費やした。
オキイトヨリが一尾掛かったのみだった。

わずかに風が弱まったので、
もう少し沖に出てみようと思った。
うねりを乗り越え、波をかき分けながら船は進む。
もうこれ以上は無理かなという所で停船した。

水深はさしてなかったが、
前々回、良型をコンタクトさせたポイントから流した。
同じ柳の下にドジョウは居なかったらしく、
しばらく、ノーコンタクトが続いていたが、
掛け上がりに差し掛かった時、
キュイーーン。といきなり糸が出て行った。
来たっ!と思ったが、フッと軽くなった。
回収すると、鈎が一本食い千切られていた。
巨エソに違いないと思った。

エソはマダイより寒さにやや弱く、
このところ、ぱったりとコンタクトが止まっていた。
エソが動くといくことは・・・。
ちょっと期待が高まった。

水深が、70mを越えたところで、
ぐいっ、ぐい、ぐいっと頭を振って、
鈎を外そうとしている魚を感じた。
そのまま巻き続けていると、
重々しさが加わり、釣果音が響いた。
キュイーーン。キュイーーン。キュイーーン。

おおっ、本命だ!と小さく叫んだ。
キュイーーン。キュイーーン。と、
更に数回、糸が出た。
慎重にリールを回した。
しばらくは、回収量と出て行く量が同じで、
よくもまあ、引くものだと感心していた。

無事、玉網に収まったのは、
オスの良型だった。



体長64cm。切り身には持って来いのマダイだった。
オスの良型は、もっとも歓迎すべき収獲である。

まだ二時間も経っていなかったが、
風が強くて、寒いの何のって。
足と手の指が痛いほどに冷たかった。
さばいて切り身にする作業も考えて、
この一尾で充分だと、帰港することにした。

前々回、前回は、長時間釣行を強いられたが、
今回は、散歩程度の釣行で済んだのは幸いだった。
ねらい通り、切り身サイズのナイスなオスを手に入れて、
いい気分のまま、港へ向かった。



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