別荘暮らし

古民家を借りて、ひとりで別荘暮らしをしています。
築五十年という古い家屋で、
大家さんが昔住んでいたそうです。

ここを借りる前に、数件見て回りましたが、
この家は見晴らしが良かったというのが一番の理由で、
借りることにしたのです。

窓から見える景色がいいと、
別荘気分を味わうことができますね。
船が到着する一ヶ月前から移り住んで、
あれやこれやと準備をしてきました。

家電や家具を一通り揃え、
生活用品を徐々に揃えて、
住めるようになってからは、
少しずつ、家の中の改良をしていきました。
一ヶ月間、よく働きました。

柱や梁はほとんどすべてペインティングしました。
ふすまの多くを張り替えたりもしました。
その他いろいろと、仕事を見つけては、
室内環境を整え続けました。
それは、今でも続いています。
別荘ですから、
居心地のいい住居にしたかったのです。

大きな悩みは、虫の侵入です。
特に、ムカデですね。
ムカデは夜行性で人の寝床にも入ってきます。
噛み付かれると激しい痛みに襲われ、
ひどい場合にはアナフィラキシーショックを起こします。
初めて家の中で見たのは、
梅雨明け直後でした。

慌てて忌避剤をあちこちに置きましたが、
効果は薄く、やはり出てきました。
夜もおちおち眠れない日々が続いたのです。
そんな時、ふと思いついたのが、蚊帳でした。
それも、ドーム型で、下からの侵入も防ぐもの。
そんな都合のいいものがあるのかなと、
ネットショップを検索すると、ありました。
早速購入し、使ってみると、
ひじょうに優れた製品で、
これなら、完璧だなと思いました。
それから、夜は安心して眠れるようになりました。

その他の虫もいろいろと侵入していきます。
とにかく隙間があちこちに、
というか、そこら中にあるのです。
めぼしいところはすべてガムテープで塞ぎました。
それでも、気持ちの悪いゲジゲジがたびたび侵入してきたり、
小さな羽虫が大量に家の中で発生したりと、
夏は特に息つく暇もないくらい、対策に追われました。
冬になって、虫はほとんどいなくなり、
虫がいるより、寒いほうがずっとましだなと思いました。

エアコンは使わないで、
コタツのみで冬をしのごうと、
冬山用のダウンジャケットを買って、
本格的に寒くなった頃に着用していました。
たしかに暖かく、体の冷えは防ぐことができました。
が、問題は、キーボードを打つ指先です。
クリスマスの大寒波が来た時、
もうこれは限界だなとエアコンを使うことにしました。

別荘には、ふすまやしょうじで閉め切られる、
三畳間があって、そこにエアコンを備え付けました。
狭いのですぐに温まるかなと思いきや、
ふすまやしょうじの間がすかすかで、
ひゅうひゅうと冷気が入ってきて、
なかなか温まらないのです。
そこで、毛やスポンジがついたテープを大量に買ってきて、
片っ端から間を防いでいきました。
畳の間からも冷気が吹き上がっていましたので、
そこはガムテープでふさぎました。

ようやく、努力が実り、すぐに温まるようになりました。
別荘の契約電力は20Aしかありません。
計、2000Wしか家電を使えないのです。
エアコンとコタツを付けたまま電子レンジや、
クッキングヒーターなどを使うと、
ガタッとブレーカーが落ちてしまいます。
省エネという観点からも、
「暖の間」の隙間ふさぎは効果的でした。

季節ごとに様々な工夫が必要なのが、
私の別荘です。
随分と知恵が付きました。(笑)



これは、別荘から眺める朝焼けです。
せっかく島にいるのですから、
海が見えるところがいいと思っていました。
心がなごみます。



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