ジョブ

英語では仕事のことは、主に3種類の単語で表現される。
job, work, labor である。
自分の仕事はどれに近いかと言えば、
work だろうと思う。賃金がない仕事でも、work と言うからだ。
また、work には研究や勉強という意味もある。

釣りそのものは娯楽なのだが、
今は、楽しみ半分実益半分といったところで、
次第に食材確保という意味合いが強まっている。
だから、冷凍切り身がゼロにならない限り、
強いて出船する必要は無いと思うことも多くなった。

島での鯛ラバとマダイの研究は、
およそ、到達点にたどり着き、
まだまだ分からぬことは少なからずあるのだが、
383回(2015年4月15日現在)の実釣研究を経て、
研究課題もそろそろしぼられてきたように思う。

したがって、私の島での仕事は、
work から job へと移り変わっているような気がしている。
「よくやったね。」とほめる時、
英語では、Good job ! というのが一般的だ。
相手がいい結果を生み出したときに使う。
ニュアンスとしては、job のほうが work より軽い。

1kg以上の本命マダイを釣り上げて、
画像に残し、その記録を釣り日誌に残す。
良型以上のオスのマダイであれば、
さばいて切り身を1週間分ほど作る。
月に二、三度、食べきれない分の魚を、
島でお世話になっている人々にまるごと手渡す。
それらは、すべて good job である。

何がなんでも釣りをしたいというほどのことはない。
最初の1、2年はそんな感じだったが、
3年目に向かおうとしているこの頃、
もっと気楽にジョブを楽しめるような気がしている。
こういう「一皮剥けた」状態を待っていたのかも知れない。

時化が続いて出航できない日が長期にわたっても、
食材の枯渇は別として、
苛立ちなどは、さほど感じなくなった。
ようやく、釣り好きな「仙人」に近づき始めたということか。
まだまだ、修行は続くであろうが、・・・。



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