色素と目

食物に含まれている様々な色素は、
抗酸化作用が強く、活性酸素の悪影響を緩和することが、
広く知られるようになった。

著名なものとしては、ブルーベリーで有名なアントシアニン。
植物の紫色色素で、ナスや赤かぶなどにも含まれている。
これは、特に目に良いとされ、
PC画面を見つめることが多い現代人には欠かせない。
それを知ってか知らずか、
この頃、紫色野菜ジュースが品薄状態だという。
幸いにも島のスーパーにはたいてい置いてある。

目の病気といえば、加齢黄斑変性。
失明率が極めて高い、恐ろしい病気である。
欧米の高齢者の失明原因の第一位。
この病気を特によく防ぐとされているのが、
「アスタキサンチン」という、
われらがマダイに含まれている色素。
この色素で、マダイは赤いのだ。
もともとはカニやエビに含まれている色素で、
それらを好んで食べるので、マダイは赤い。
イトヨリダイなども同じ理由で、赤い色をしている。

このアスタキサンチンは、おそろしいほどの、
抗酸化作用があり、ビタミンEの500〜1000倍という、
気の遠くなるようなパワーを持っている。
マダイの皮に多く含まれているので、
料理には必ず皮を使うようにするとよい。
同時に旨味もここに凝縮されているので、
皮を使わないと、マダイ料理の旨さが激減する。

こう書くと、私のようなマダイ好きが多くなりそうだが、
釣り師の皆さんには、
小型のマダイや、中・大型でもメスのマダイは、
リリースして、マダイ資源が減るのを
少しでも防ぐことをお願いしたい。

マダイが食べられない人は、サケがいい。
北の海で取れるサケは、マダイより
多くのアスタキサンチンが含まれているので、
サケは、避けてはいけない。(ギャグ)

サケもマダイもご存知のように、
養殖され、日本や世界中に広く出回っている。
養殖でも、この色素を餌に加えて、
見栄えの良い魚にするという努力を、
養殖業者は行っているそうである。

そのサケも好きではないという人は、
トマトで有名な赤色色素のリコピンがいい。
これも目によく効く。
生のトマトより、
完熟トマトジュースの方がリコピンは二、三倍多い。
真っ赤なトマトは、リコピンの宝庫である。

復習しよう。
アントシアニン、アスタキサンチン、リコピン。
これらの色素を含む食品を普段から、
たっぷり摂っていると、
失明の危険が著しく少なくなるということだ。

目は心の窓というが、
身体の窓といってもよい。
目を大事にすることで、
身体全体の健康が保てるという訳である。



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