エスパー

超能力者のことをエスパーと呼び、
古くはユリ・ゲラーなどが有名になった。

五感(視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚)の他に、
あるいは、それらを超えたものとして、
第六感があることは誰もが知っている。

超能力者は、特にそれが優れている。
英語ではインスピレーション、
日本語では、「霊感」あるいは、「勘」とも言う。

もともと、「勘」は、経験と学習により形成されるもので、
例えば、私が、「大ダイ流れ」と命名した、
大物マダイのヒットチャンスであるかどうかは、
ポイント、潮、風などを総合的に判断して決めている。
ヒットしたからといって、それは偶然ではなく、
経験と学習によって得られた「勘」が働いたからで、
むしろ、必然に近い。

しかし、まれに、「勘」ではなく、
「霊感」ではないかと思うような経験をすることがある。
まるで未来を予測したかのような。

15日(2016年1月)の釣りで、ゲストとおしゃべりをしていて、
私が、アオハタのことを話題にした。
他の種類のハタは、大型を何度も釣り上げたが、
どういう訳か、アオハタだけは大物を釣ったことがない。
そういう内容の話だった。

すると、しばらく経って、
ゲストが、アオハタの大物を釣り上げた。
五百回近くの出船にして初めてのことだった。
まさしく、驚きの、「偶然」だった。

それから、四日後にもう一つの偶然があった。
朝、「ざっくばらんな楽園日誌」という、
このサイトの非公開日誌・掲示板に、
「ケープタウン」という地名を書いた。
アフリカの南端にある有名な都市である。

そして、その日の午後、Sさんという、
愛艇を購入したマリーンのスタッフが、
突然、訪ねてきた。
確か、二年ぶりくらいだったと思う。
たいへんいい人で、話をしていて楽しいので、
珈琲を飲みながら、しばらく談笑した。

驚いたのはそのあとだった。
Sさんが有名ボートメーカーの
カレンダーを持って来てくれたのだが、
それは、美しい港湾都市の航空写真だった。
この町は、何というのかなと画面を探していると、
端のほうに小さな英字で、
Cape Town, South Africa と書かれてあった。

大物アオハタの話をした直後に、実物が釣れた。
地名を書いたすぐ後に、その土地の写真が届けられた。

五日の間に、
偶然の重なりという、びっくり仰天な事象を、
二度も体験したのである。

もしかすると、俺はエスパーかも知れない。
そう思うのも無理のない話である。
あるいは、島で(釣り)仙人になるための、
修行が、実ってきているのだろうか。

そろそろ、あごに白く長いひげを蓄える時期が、
やって来たようだ。
杖は、鯛ラバロッドにしよう。



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