釣りとお金


この頃特に長時間労働が問題になっているが、
賃金とは、束縛された時間に対する報酬である。
と考えると、労働時間が長ければ長いほど、
貴重な自分の為の時間が奪われていることになる。

労働基準法が今とりわけ注目されているのだが、
有給休暇は年に二十日と定められている。
欧米に比べると日本の取得率は極めて低い。
日本人は、それを使おうとしない。
過労死の大きな要因は、
管理に大きな問題があることは言うまでもないが、
たとえば、この有給休暇を100%取るのが当たり前になれば、
過労死問題はほぼ解決するだろう。

「お金で買えるもっとも貴重なものは時間である。」
とは、ある作家の言葉だが、なるほどと納得している。
人生を愉しむには何よりも時間が必要だからだ。

船という大きな釣り道具は、
愛艇の場合、経費の全てをひっくるめると、
一日約六千円と算出した。
維持に掛かる自分の労力は入れていない。
タンパク質の自給自足という側面は大きいが、
主な目的は楽しむこと、つまり、レジャーである。
レジャー費として考えると、
少なくとも一日八千円の価値はある。
タックルや仕掛けにかける費用が二千円ほどなので、
ちょうど、タンパク質調達の分だけ丸々利益となっている。
本命が一尾釣れればレジャー費は黒字。
ボウズなら大幅赤字なので、
なんとか一尾を釣り上げようと頑張っている。

島での生活費が、自宅にいるよりは大幅増だが、
自然豊かでフレンドリーな人々との島の暮らしがあり、
その対価と考えれば、納得のいく費用である。
もし、その費用も浮かせようと考えるならば、
船長としての人件費が最低でも二万円。
必要経費を加えて、
二万六千円でチャーターボートに仕立てる。
四日ほど船を出せば、赤字ゼロになるだろう。

以上は、あくまでも机上の概算で、
現実とは差があるだろうが、
このような経済的試算もなかなか面白い。

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