激シブな釣行で釣り上げる一尾

この時期は特に食いが渋くなる。
魚は、食べる為にだけ生きているので、
自然の餌や撒き餌ならば、速攻だろうが、
鈎の付いた餌や、疑似餌には、
なかなか反応してくれない。

マダイは特に、警戒心が強いので、
タイラバのような人工物には、せいぜい、
低レベルの興味スイッチを入れるくらい。
ちらっと眼を遣り、ふんとそっぽを向く。

これから三月上旬まで水温は低下し続ける。
低活性の一番の理由はこれだ!
どんな動物でも低温は苦手なのだが、
魚は変温動物なので、体温が下がり、
活動そのものが不活性化する。

1.冬凪で船が流れず、潮の動きが緩い。
2.水温が低下したばかりである。
3.澄み潮で透明度が高い。

この3つがそろえば、激シブとなる。

それでも、たまには、タイラバを追うマダイもいる。
ごくごく稀にだが、捕食スイッチを入れるマダイもいる。
船をあちこち移動させながら、
ひたすら、その稀な一尾を待ち続ける。
それが、真冬の厳しい条件下での釣りである。

我慢と忍耐の釣りになる。
リミットいっぱいの六時間を費やしても駄目だったこともある。
暖かい日なら限界までやれるが、
寒い日は、三時間が精一杯。
船を出すかどうかも悩ましい日が続く。

だが、激シブ釣行で、
本命を一尾釣り上げることほどうれしいことはない。
キュイーーン。と糸が出るワクワク感は最高だ。
バレるなよ。バレるなよ。
と何度も呟きながら、やり取りをして、
無事、玉網の収まった瞬間の達成感といったら、・・・。

これを味わいたくて、
厳しい条件であっても、敢えて船を出す。

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